タバコを吸うことによる筋トレ効果への悪影響は、思っている以上に大きいです。せっかく体を鍛えようとしているのですから、タバコを吸うことによる悪影響は減らしたいものです。
タバコによる筋トレへの悪影響とは?
筋トレへの喫煙の悪影響として、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?悪影響の詳細が分かれば、節煙もしくは禁煙に対する意識が高まることにつながり、筋トレの効果を最大化させることができます。
集中力が低下する
タバコには強い依存性があります。ヘビースモーカーの人は頻繁にタバコを吸っていないと、ニコチン切れによる離脱症状が起こり、吸いたくてたまらないという心理状態に陥ります。
そうなってしまうと、筋トレに対する集中力が低下して、モチベーションが持続しにくくなり、途中で放り出してしまうことになりかねません。
テストステロンが減少する
テストステロンは筋肉を増強させる男性ホルモンの一種です。分泌量は圧倒的に男性の方が多いですが、女性にも少量分泌されます。
喫煙することによって、テストステロンの濃度は下がってしまいます。タバコの煙が血中の酸素濃度を下げることはすでに説明しましたが、この酸素濃度低下によってテストステロンを生成する細胞がダメージを受けてしまうためです。
テストステロンの濃度が低下することで、筋トレの効果が筋肉の成長として現れなくなり、モチベーションが下がってしまうかもしれません。できればタバコは控えてトレーニングの恩恵を文字通り全身で受け取りましょう。
筋肉の回復のスピードが遅くなる
定期的にトレーニングをすることを継続しなければ、筋肥大は期待できません。筋肥大するためには、前回のトレーニングで受けた筋肉の損傷をはやく治すことが不可欠です。筋肉が炎症を起こしている状態では、トレーニングをすることができません。
しかし、タバコを吸うことによって全身に酸素が回らない、つまり損傷している筋肉にも必要な量の酸素が回らないことになります。筋肉痛からの回復にも、ケガからの回復にも酸素は重要です。それなのに、ヘモグロビンがタバコから生じた一酸化炭素と結合してしまうと、回復が遅くなります。回復が遅れると、次のトレーニングまでのスパンが長くなってしまいます。
心拍数が上昇する
タバコを吸うと心拍数は急上昇します。習慣的に喫煙していると、タバコを吸ってから時間が経っても心拍数が高いままの状態が続いてしまいます。
心拍数が上がることで、全身に十分な量の血液を届けるために多くのエネルギーが必要になります。この状態でトレーニングすると血圧が上昇し、結果として血流量が減少します。そのため、同じトレーニングをしても非喫煙者と比べて得られる効果が少なくなってしまうのです。
トレーニング量を増やすことなく、非喫煙者と同じくらい筋肉を増強させたいのであれば、タバコの量は減らしたほうが良いと考えられます。心拍数が高い状態でトレーニングをすると、心臓に負担がかかり、最悪の場合は心臓発作を起こしてしまうこともあるので注意しましょう。
スポーツ選手もタバコを吸う?
有名なスポーツ選手の中にもタバコを吸っている人は確かに存在します。
しかし、だからといって「タバコを吸っていてもスポーツの能力に影響は無い」という説が成り立つわけではありません。
科学的に考えれば、タバコはほぼ確実にスポーツの能力を低下させるのですから、薬物に対する反応の個人差によって「中には影響が少ない人もいる」と考えるのが合理的でしょう。
そもそもタバコを吸いながら活躍しているスポーツ選手が禁煙したら、今よりも更に優れた能力を発揮できる可能性もあるわけです。
まとめ
タバコをやめるかどうかは最終的には個人の判断ですが、筋トレの効果をできるだけ早く手に入れたいと願う人は控えた方が良いでしょう。