今回、男性ホルモンの内訳の9割を占めているという“テストステロン”をまとめました。
成長ホルモンと同じく、筋肉を増やし脂肪を減らす働きのあるテストステロンですが、精神面や性的機能、健康面などあらゆることに関連しています。
テストステロンとは?
テストステロンとは男性ホルモンの1種で、骨格や筋肉、性欲、バイタリティーに影響を与えます。
これらは「男らしさ」に関わる要素なので、テストステロンが増えると、男性としての魅力が増し、女性からの好感度も上がると言われています。
テストステロンが減少すると、男らしさが下がる。
先ほどもお伝えしたように、テストステロンは肉体的にも精神的にも男らしさを高めるために非常に重要なホルモンです。
そして、このテストステロンが減少してしまうと、筋力の低下をはじめ、様々な体調不良を引き起こします。
また、テストステロンは性欲にも影響を及ぼすため、テストステロンが減少するとED(勃起不全)などの性機能にも異常をきたす場合も出てきます。
それに加え、テストステロンが減少することで、男性の更年期障害になるリスクも高まります。
症状としては、不安感に襲われたり、イライラが募ったり、不眠になったり、集中力が低下してしまったりといったことが挙げられます。
これらの症状が悪化してくると、うつ病や認知症になるリスクも高まると言われています。
テストステロンは20歳をピークに減少していく
こんなにも男性にとって重要なテストステロンですが、何もしていない場合、なんと20歳をピークにして減少していってしまいます!
「20代の時は若々しくいられたけど、年を経るごとに段々と衰えを感じてきた…」といったことは、もちろん単純な老化現象もありますが、男性の場合はこのテストステロン値の減少の影響だと言っても過言ではありません。
「何もしていなければ」20歳をピークに減少していってしまうテストステロンですが、これを個々人の努力で増やしていくことが出来ます。
テストステロンの効果とは?
「男らしさ」を高める魅力的なホルモンであるテストステロンですが、具体的にどんな効果があるのか見ていきましょう。
筋肉の成長を促進させ、男らしい身体になる!
まず、テストステロンの効果として一番有名で分かりやすいのが、「筋肉の成長を促進すること」です。
テストステロンが高い状態だと、筋肉がつきやすい体質になり、同じ筋トレをしたとしても、筋肉の発達が全然違ってきます。
筋骨隆々とした男らしい肉体を手に入れるためには、テストステロンを高い状態にしておくのは必要不可欠ですね!
生活習慣病やメタボの予防になる!
テストステロンが高い状態の人は、生活習慣病やメタボになるリスクを軽減することが出来ます。
なぜかというと、テストステロンは一酸化窒素(NO)の生成を促す効果を持っているからです。
一酸化窒素は、血管や臓器に有害物質が溜まってしまうのを防ぐ効果があるため、血液の状態を正常似た持つことが出来るのです。
やる気が湧き出てくる!
やる気に関わる脳内物質で「ドーパミン」というものがあります。
ドーパミンは、脳にやる気を出させる物質で、人間になくてはならない物質です。
テストステロンはドーパミンの分泌を促進させる効果を持っているため、テストステロンが増えるとやる気も湧き出てきます!
ドーパミンが不足していると、うつ病になりやすいと言われていて、このようなことから、テストステロンが減少すると、うつ症状が出てくるということに繋がります。
精力が増強される!
テストステロンは性機能にも影響を与えるため、テストステロンが高い状態だと、夜の営みの時にも高いパフォーマンスを発揮します。
例えば、性的興奮を感じやすくなったり、下腹部のサイズが大きくなったり、精液の製造量も増えたりと言った効果があります。
脳の働きが活性化する!
テストステロンが増えると、脳の働きが活性化すると言われます。
例えば、判断力や記憶力、集中力が向上する効果が上げられます。
反対に、テストステロンが減少すると、これらの能力が低下することに繋がるということですね。
老化を防ぐ!
テストステロンは、細胞の中に入っている「ミトコンドリア」の健康を保つために重要な働きをします。
ミトコンドリアは様々な役割をするのですが、一言で表すとしたら「細胞にエネルギーを送る役割」をしています。
このミトコンドリアの働きを活性化することで、細胞にしっかりとエネルギーを送ることができ、年齢を重ねても若々しくいることが可能になるのです!
女性にモテる!
テストステロンは別名「モテホルモン」と呼ばれています。
これは、「女性は、テストステロンが豊富な男性ほど、健康的で男らしい肉体と精神を持っていて、生殖能力が高いということを本能的に理解しているから」と言われています。
ラットを使ったある実験結果では、モテないオスのラットにテストステロンを注射したところ、メスのラットが群がりだしたという結果が報告されています。
テストステロン増加に最も効果的な筋トレと食事
脂質を摂りテストステロン値をあげる!
「身体を壊すもの」とよくみられがちな脂質は、自然にテストステロンを生み出すことに関しては、実は最も重要なキープレイヤーの一つです。
私たちは長年、脂質を心臓病や高コレステロール値と関連付けていました。しかし今、脂質はテストステロン値をあげる確実な手段として認識されています。
事実、Journal of Applied Physiologyで発表された研究で、一価不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸が多い食事はテストステロン値をあげることがわかりました。
別の研究では、高脂質(13%の飽和脂肪酸)の食事から低脂質(5%の飽和脂肪酸)の食事に変えた男性は、顕著にテストステロン生産率と循環するアンドロゲンの値が下がったことがわかりました。
PharmaFreak .の共同設立者Don Gauvreau氏は、「食事から摂る脂質について覚えておいて頂きたいのは、食べる量だけではなく種類が大切となることです」と述べています。
一価不飽和脂肪酸:オリーブオイル、アーモンド、アボカド、ピーナッツバター
飽和脂肪酸:赤身肉、ココナッツオイル、卵の黄身、ダークチョコレート、チーズ
コレステロールを避けない
テストステロンはコレステロールから得られるので、あなたの食事にコレステロールが足りていないなら、この筋肉を作り出すホルモンも足りていないことになります。
先行研究で、HDLコレステロールと血中の遊離テストステロンには強い結び付きがあることが確認されています。体内のテストステロンの大半はタンパク質と結び付いていますが、血中の遊離テストステロンは生物学的に利用可能で、すぐに摂取できると考えられています。
更には、程良く炭水化物を制限している食事に全卵を加えると、リポタンパク質が改善(HDLコレステロールの増加)され、メタボリック・シンドロームと、高血圧、異常なまでの高血中グルコース、心臓病の危険因子といった様々な健康問題につながるインスリンの抵抗を減らすことがわかっています。
最もコレステロールを含む食べ物は、飽和脂肪酸も多く含むものです。赤身の肉、卵の黄身、エビ、イカ、ロブスターなどの魚介類などを選ぶと良いでしょう。ちなみに全卵は私の食事には欠かせません(毎朝3つ食べています)。
フリーウェイトトレーニングをしていく
テストステロン値に食事が大きく影響するように、トレーニングもまた然りです。
しかし、このテストステロン増幅の全利益を得たければ、正しいエクササイズと正しい道具を選ばねばなりません。
基本的に、より多くの筋肉を刺激すれば、より多くのテストステロンが分泌されます。
トレーニングしている人を対象にした最近の研究で、レッグプレスに比べるとスクワットはテストステロンの反応をかなり高めることがわかりました。
テストステロンの値を顕著にあげる複合リフトトレーニングの一種としての主な例である、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトのような多関節エクササイズを行いましょう。
マシーンだとフォームを安定させるために働く筋肉が使われにくいので、フリーウェイトに比べると良い選択であるとは言えません。
長すぎるトレーニングは良くない
テストステロンの値に影響するトレーニングの別の側面として、トレーニングの長さが挙げられます。
あなたが長時間の休憩を含む必要以上に長いトレーニング、もしくは過度の耐久エクササイズをしているのなら、テストステロンの値はこれ以上あがらないかもしれません。
1時間以上のトレーニングはコルチゾール(ストレスに反応して分泌量が増加するホルモン)の値を急増させ、次第にテストステロンの値を落とし得ます。
加えて、セット間の休憩時間が短いほど(3分より1分)、続きの筋力トレーニングの後にホルモンの鋭い反応を引き出すことができることが、研究により明らかになっています。
テストステロンの反応を最大のものとするために、休息時間は短くし、総トレーニング時間は60分かそれ以下にしましょう。
睡眠をとる
睡眠不足は体内で生産されるテストステロンの量を大幅に下げ、結果筋肉の成長が遅れ脂肪が減らなくなってしまいます。
睡眠量は朝のテストステロン値と関連していると、研究で証明されています。 シカゴ大学の研究者らは、健康な男性の睡眠パターンを調査し、長く眠る程にテストステロン値があがることを発見しました。
テストステロンの反応を良くするために、毎晩7~9時間の睡眠がお勧めです。
テストステロンを増やすトレーニングを行う
筋力トレーニングに関して言うと、短期及び長期の研究で、1回で出来る最大の重量の70~85%の重量での複数セットを行う事によってホルモンの反応を高めることがわかっています。
筋肉の広範囲に負荷を与えつつも控えめな高負荷トレーニングを行うよう心掛けて下さい。
(補足:MAXの重量の70%~85%というと、6回~12回が限界の重量に重りをセットするということになりますね。 例えばベンチプレスで100kgがMAXの重量だとすると、70kgであれば12回、85kgであれば6回挙げられるという計算になるのでその重量の範囲で複数セット行うのがテストステロンの分泌に効果的ということになります。
まとめ
男らしさを高めるのに必要不可欠と言っても過言ではない”テストステロン”!筋トレなどの運動は、もちろん筋肉をつけて脂肪を減らすというのがメインの効果ではありますが、こういったホルモンの観点から考えてもやはり行う事のメリットはあると言えます。